キンダーガーテン三   ~それぞれの居場所に~
今日は仕事に行きたくない。

……………休みたい。

そう思うのに、これ以上先生に心配かけたくないから……やっぱり出掛ける。

腫れた目を冷して、メイクで隠してみても

誤魔化せるはずもなく

園に着くと、色々な人に痛ましい目を向けられた。

「唯ちゃん……。」

四人にも何度か声をかけられたけど

お互い言葉にならず……ニッコリ笑って誤魔化した。

……………………こんな事……初めてだね。

いつだって甘えてたのに………

ごめんね…………今は話せないよ。…………

そんな中……

咲ちゃんの「唯先生。」って言う……辛そうな声が聞こえた。

「何?」

いつもは出さない低い声に……自分でもびっくりした。

「ごめんなさい。……あの………」

何か言いたそうにしてたけど

「別れたから。」って告げると……足早に逃げ出した。

後ろで息をのむ咲ちゃんを感じながら

心の中では………

『どうしてあんな事を言ったの』って恨めしく思った。

あぁ~頭が痛いなぁ。

絶体………泣きすぎだよ。

いつもだと、真っ先に支えてくれる先生。

今日はあれから一度も見かけない。


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