キンダーガーテン三   ~それぞれの居場所に~
翌朝目が覚めると……頭はやっぱり膝の上。

ただひとつ違うことは…………

頭の上から、寝息が聞こえること。

先生……あのまま眠っちゃったんだぁ。

そうっと頭をずらしたら……

「おはよう」って笑顔がふってきた。

唯の目を覗き込んで

「ヨシ。腫れてない!」って………。

微笑む唯に

「もう、大丈夫だね!」って安心した笑顔を向けて

「同じ服で仕事にいけないから、一度帰るね。」って立ち上がった。

咄嗟に嫌って抱きついたら………「帰りたくなくなるよ。」って笑った。

「ごめんなさい。」って……手を引くと

再びギュッと抱きしめられて……

「今はここまでね!解決したら………ここにちょうだい。」って

人指し指を唇に押し当てられた。

うなずく唯の頭をポンと叩いて

「後でね。」って帰って行った。

…………………………解決出来るかなぁ?



朝、一番に海晴ちゃんにメール。

『カラオケ行きます。』

玄関を出ると、青空に1本………真っ直ぐな飛行機雲。

うん、大丈夫!!

今日の大丈夫は……誤魔化しのない『大丈夫』

強い絆を結びたいから……本当の気持ちをぶつけてみよう。
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