キンダーガーテン三   ~それぞれの居場所に~
先生との結婚。

先生の奥さん。

………小さい頃は人並みに、ウエディングドレスに憧れていた。

男の人が苦手だと気づいてからは…

両親の不仲もあって……………

結婚への夢は……見なくなった。

こんな唯と……一生一緒に居たいって思う人も……いないだろうって……

色んな意味で…結婚が怖く感じてたから。

まさか……

自分から一緒に居たいって思うなんて…………。

片思いをして………

憧れの先生が……彼氏になって…

いつか遠くない日に……………旦那さんになる。

本当に………夢みたい。

もちろん、もう少し先の話だけど……。

それまでに……少しでも自分を磨いて

先生の隣に立っても……恥ずかしくない人になりたいな。

10歳の年の差はうめられないけど……

頑張って……成長して……

先生を支えられる人に………………。

それから……

キスも…できるようになりたい。

誓いのキスが初めてって訳には………いかないしね。

…………………うん、頑張ろう!!

「………………ちゃん。………………………唯ちゃん…………。」

「えっ?」

「また一人の世界に行ってたの?
明日からお仕事だから、今のうちに買い物しとこうねって
声をかけたんだけど………聞いてないよね?」

「うん。………ごめんなさい。」

「今度は何を考えてたの?
………まさか『結婚するって言ったの……早まった!!』とか??」

「ち…違うよぅ。
先生を支えられるくらい……成長したいなぁ~って。
後は……………ゴニョゴニョ………………。」

「うん??なに??」

「あっ……ううん。…何でもない。」

「いいから言って。」

「…………………………………………………キスも…………頑張ろう………かなぁって。
誓いのキスが……………初めてって……………ダメだもん。」

プッ!と吹き出すと

「ハイハイ。一緒に成長しようね。
でも、キスは唯ちゃんが頑張らなくても大丈夫だよ。
ちゃ~んとリードするからね!」って頭をヨシヨシ撫でるの。

うぅ~。

いつも子供扱い。

………………………おまけに…………リードって…………。

そりゃ~先生が初めての訳ないけど…………なんだか……嫌だ。

思わず口が、歪んでしまう。
< 5 / 149 >

この作品をシェア

pagetop