キンダーガーテン三   ~それぞれの居場所に~
先生の大きなため息に、フキゲンだったのは疲れが原因だったことを知る。

そうだよねぇ~

クラスを持たない先生は、ライン引きに子供の誘導……荷物の整理に

保護者の対応。

おまけにリレーで…唯の為におもいっきり走ってくれたんだもんね。

「先生……明日のごほうびは、ゆっくり休んで欲しいな!」

「えっ、でも…」

「明日はゆっくりして……
明後日、まだ出来てなかったお誕生日のお祝いがしたいの。
1週間過ぎちゃったけど…………」

本当はね、当日お祝いしたかったの。

でも……

先生は、唯が無理して今日の運動会を頑張らなかったら嫌だと思うから。

忘れてた訳じゃあないけど……『おめでとう』しか言ってないの。

もしかしたら先生は、唯があまりにも素っ気なかったから……

淋しかったかなぁ??

明後日は遅くなった分もいっぱいお祝いするね!

……………でもね

実はまだ何にも用意が出来てないんだぁ。

明日、先生にはゆっくりお留守番しててもらって……

唯はデートする予定なの!

男の人に贈り物なんて初めてだから、一人で考えるのは無理だもん。

先生を大好きな人達にお付き合いしてもらって…

先生のことをいっぱい教えてもらうんだぁ~

「それでね………唯は一人でお買い物に行ってきたいんだけど……いい?
喜んでもらえる物を探してくるから………。」

「ええっ~………明日、一人?
お祝いは唯ちゃんと二人でゆっくり出来たら、それでいいよ??」

きっと先生はそう言ってくれると思った。

一緒に居たいって思ってくれるのは嬉しいけど……

やっぱり彼女としては、想い出が作りたいんだもん!

明日は頑張ろう!!
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