言葉はいつも想いに足りない
葵「どうして?」
仁「...好き、だから。
俺のワガママだって分かってる。
施設への手続きが済む前に
匠海をこの家に連れて来なきゃ
いけない事も事実だ。
それまでに俺は匠海を連れてくる。
でも、部屋はある。
匠海がこの家に来たとしても
葵は顔を合わせなくていい。
匠海の面倒は俺が見る。
だから、少しでも長くここにいて欲しい。」
葵は何も言わずに自分の部屋へと
戻っていった。...それが答えだ。
でも、例え葵が首を縦に
振らないとしても俺が守るものは
決まっている。
いくら葵を愛していたって
たった10歳の我が子を放り出す事
なんて出来なかった。