言葉はいつも想いに足りない
嬉しいのは私の方だ。
葵「私は匠海くんみたいに
誰かに愛された事ないから
多分、間違ってたよ。
でも、ありがとう。」
匠海くんは振り返ると
とびっきりの笑顔を向けた。
あの家に来てから1ヶ月。
匠海くんがこんな風に
笑った事はなかった。
匠海「葵ちゃんは愛されてるよ。
僕はあんな風に幸せそうなお父さんの
笑顔を見た事がなかったから。
お母さんといる時のお父さんは
いつも不機嫌で家に帰ってきても
部屋に篭ってて...だから、僕はずっと
お父さんの事が嫌いだった。
でもね、葵ちゃんと3人で暮らし始めて
お父さんの事が好きになったよ。」