言葉はいつも想いに足りない
匠海「僕に夕飯は何がいい?って
聞いてきてオムライスって答えたら
作ってくれて...自分で作ったくせに
美味しいねって自画自賛してた。
お父さんにも食べて欲しいなって
そう言いながら食べてたよ。」
俺の知らない間に匠海と葵の
関係が変化していた。
つい最近まで葵の事を嫌ってた匠海が
匠海の事を遠ざけていた葵が
いつの間にか家族になっていた。
匠海「僕さ、こっちに越してきてから
あんまり学校に馴染めてなかった。
何かあると二言目には母親が
いないくせにってそう言われてた。
何で、こっちばっかりそんな事
言われなきゃなんないんだよって
お父さんの事も葵ちゃんの事も
本当はずっと嫌いだった。
でも、僕だけじゃなかった。
葵ちゃんも辛い思いしてたよ。」