言葉はいつも想いに足りない
仁「辛い思いって?」
匠海「匠海くんの母親じゃないでしょ。
赤の他人が口出ししないでって
同級生のお母さんにそう言われてた。
だけど、葵ちゃんは怒って
僕の事を庇ってくれた。」
仁「そうか。」
匠海「どうしてか分からないけど
そんな葵ちゃんを見て
僕は嫌だって思った。
僕の事で辛い思いしなくていいのに。」
俺は堪らず匠海の事を抱き締めた。
仁「ごめんな、匠海。
お前にそんな想いをさせてるなんて
知らなくて...悪かった。」
匠海「僕はいいんだよ。
僕はお父さんの子供だから。
でもね、葵ちゃんは違うよ。
葵ちゃんはお父さんの恋人だから。
葵ちゃんに辛い思いは
させちゃいけないよ。
だからさ、やっぱり僕は
施設に行った方が...いいよ。」