言葉はいつも想いに足りない

仁「悪い...。大きな声を出して...。
水無月の自由なのにな。」

葵「母親からです。」

仁「え?」

葵「電話の相手は母親です。
私が家を出てからもう9年。
毎日、電話がかかってくるんです。」

仁「心配してるんじゃないか?」

葵「心配とはちょっと違うんです。」

水無月の笑顔は綺麗なのに
どこか少し痛くも見えた。
< 77 / 270 >

この作品をシェア

pagetop