言葉はいつも想いに足りない

水無月はポケットから
定期入れを取り出すと
その中に挟まっていた紙を手渡す。

葵「中、見て下さい。」

水無月に渡されたその紙を
広げると時間割りのように
1週間の予定が書いてあった。

葵「無遅刻無欠席で学校へ行って
月曜はピアノと書道。
火曜は塾と生け花と空手。
水曜は英会話とバイオリン。
木曜は新体操とそろばん。
金曜日は塾とダンスと絵画。
土日は朝から晩まで水泳と塾。
毎日ほとんど寝る暇もなくて
家でご飯を食べた記憶なんて
ほとんどなくて...頭が良くて
スポーツが出来るようになるのなんて
私にとっては当たり前だったんです。
だって、こんなにも毎日
頑張ったんだから。」
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