星空の下で
星空の下で
 どれくらいの星が空にはあるのだろう。

 人の出会いも星と同じようにたくさんあるのに、その中であなたと出会えたのは、奇跡なのだろうか。



 7月7日、七夕。

 5年前の高校生の頃。

 男女のグループで行った七夕まつり。

 当時好きだった月島は友達の思い人だった。

 彼女の気持ちを知っていた私は、それに協力をするしかなかった。

 七夕まつりの竹に下げられる短冊。

「みんなで書こうよ」

 本当のことは書けなくて。

『このままみんなと仲良くすごせますように』

 それが、そこに書けたせいいっぱいの言葉だった。

「あたし、ふられちゃった」

 みんなで気を利かせて、二人きりにしたのだが、再び集合した場所で彼女が言った。

「月島ね、好きな人がほかにいるんだって。誰だかは教えてもらえなかったんだけど」

「そうなんだ」

「私のことは、これからも仲のいい友達でいようって」

 告白して、駄目になるよりもこのままのほうが私はいい。



 結局、そのまま告白をしないまま、高校を卒業して。

 彼女たちとはたまには会うけれど、月島とはその後は一度も会わないままだった。

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