星空の下で
 一番、会いたかった人が。

「代わりにつけてあげるよ」

「・・・ありがとう」

 あの頃より背の高い。

 大人びた姿。

「これでよしっと」

 向けられた笑顔。

 見つめたまま、言葉が出ない。

「どうした?いい男になっていて、びっくりした?」

「うん」

「ねぇ、この後、時間ある?久しぶりだし、いろいろ話したいからさ」

「うん」

 頷くことしかできない私。



 街中を離れて、気が付くと、当時にみんなで行き帰りに通っていた川べりに来ていた。

 空には星がたくさん輝いていて。

 この空のどこかに天の川がかかっているのだろう。

「本当に、久しぶりだね。元気そうだね」

「うん。元気だよ。そっちもね」

「さっき、あの短冊のある場所で会う前に、見かけたんだ皆本の事。で、気のせいだったと思ったけれど、やっぱり気になって後をつけたんだ」

 では、やっぱり私の見間違えではなかったんだ。

「じゃあ、あの時、そうだったんだ。すれ違ったときに思わず振り返ったんだけれど、別人だと思って、そのまま行っちゃったんだけれど」
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