ワケあり王子のオトし方
「…アオがやればいいじゃん」
「俺じゃ駄目だよ。不器用だから、うっかり手を滑らせて、消毒液の中身を全部こぼしそう」
貴様の手はどうなっているんだ、異形なのか?そうなのか?と怒鳴りたくなったが、我慢した。
私はふふっと微笑み、「仲が良いんだね」と言っておいた。
(くそぅ、西園寺め)
あの後、西園寺に保健室に連れて行かれた私は、問答無用でソファに座らせられた。
これは保健室で二人きりという、乙女ゲームのイベントのような美味しい展開かと思ったが、そう上手くは行かず。
『待っててね、もうすぐ来るから』
『え?』
西園寺はついさっき事故現場で別れた篠倉を呼び出すなり、不在の保険医に代わり、私の手当てをさせた。
お前じゃないんかーい!ということになったのだ。
「ふたりとも、ありがとう」
私は本日何十回目か分からないエンジェルスマイルを浮かべ、美しいお辞儀をした。
なんだか私、清楚系女子みたい。なんて、みたいもなにも清楚なんだけど。
「俺じゃ駄目だよ。不器用だから、うっかり手を滑らせて、消毒液の中身を全部こぼしそう」
貴様の手はどうなっているんだ、異形なのか?そうなのか?と怒鳴りたくなったが、我慢した。
私はふふっと微笑み、「仲が良いんだね」と言っておいた。
(くそぅ、西園寺め)
あの後、西園寺に保健室に連れて行かれた私は、問答無用でソファに座らせられた。
これは保健室で二人きりという、乙女ゲームのイベントのような美味しい展開かと思ったが、そう上手くは行かず。
『待っててね、もうすぐ来るから』
『え?』
西園寺はついさっき事故現場で別れた篠倉を呼び出すなり、不在の保険医に代わり、私の手当てをさせた。
お前じゃないんかーい!ということになったのだ。
「ふたりとも、ありがとう」
私は本日何十回目か分からないエンジェルスマイルを浮かべ、美しいお辞儀をした。
なんだか私、清楚系女子みたい。なんて、みたいもなにも清楚なんだけど。