ワケあり王子のオトし方
* * *
待ちに待った昼休みの時間。
私は購買への近道である道を避け、人通りが少ない道をひとりで歩いていた。
なぜなら、近道となるルートが、西園寺のクラスの前を通るからだ。
(あー、お腹すいた。イライラする。早くメロンパンを買って戻らなきゃ)
いつもの私なら、廊下を歩くときは常にエンジェルスマイルを振りまいているけれど。
今は私以外誰もいないから、特に何も繕っていない。
表情筋が疲れないし、たまにはいいと思う。
なんて考えながら歩いていれば、お昼ご飯を買うために並んでいる人集り(ひとだかり)が見えてきた。
(……メロンパン、売り切れてないといいな)
そう心の中でささやかな願い事をし、歩く速度を上げた時。
突然横から現れた人と思い切りぶつかり、後ろに倒れ込むなり尻餅をついてしまった。
(痛…)
一体何なのよ! と叫びたくなったが、我慢した。
ああ、なんて淑女なんだろう、私。
ぶつかってきた人よ、相手が私でよかったわね。
そう心の中で呟き、顔を上げれば。
待ちに待った昼休みの時間。
私は購買への近道である道を避け、人通りが少ない道をひとりで歩いていた。
なぜなら、近道となるルートが、西園寺のクラスの前を通るからだ。
(あー、お腹すいた。イライラする。早くメロンパンを買って戻らなきゃ)
いつもの私なら、廊下を歩くときは常にエンジェルスマイルを振りまいているけれど。
今は私以外誰もいないから、特に何も繕っていない。
表情筋が疲れないし、たまにはいいと思う。
なんて考えながら歩いていれば、お昼ご飯を買うために並んでいる人集り(ひとだかり)が見えてきた。
(……メロンパン、売り切れてないといいな)
そう心の中でささやかな願い事をし、歩く速度を上げた時。
突然横から現れた人と思い切りぶつかり、後ろに倒れ込むなり尻餅をついてしまった。
(痛…)
一体何なのよ! と叫びたくなったが、我慢した。
ああ、なんて淑女なんだろう、私。
ぶつかってきた人よ、相手が私でよかったわね。
そう心の中で呟き、顔を上げれば。