ワケあり王子のオトし方
chapter:3
麗らかな春の日。あたたかな風が吹く屋上の一角で、午後の授業をサボった校内一の美男美女が居た。
「む、無理だよ、西園寺くんっ…、こんなの入らなっ…」
「大丈夫、怖くないよ。並木さん」
「ふぇっ…」
涙目になっている少女の頭を優しい手つきで撫でるのは、眉目秀麗な青年。
「…優しくするから」
撫でるような優しい声に、少女がコクリと頷く。
それを見た青年は、ゆっくりと少女に覆いかぶさり――。
「っ……、」
二人の影が重なった瞬間、少女は顔を顰めた。
縋るように青年のワイシャツを握り、必死に耐える。
青年は少女を労わるように背を摩りながら、熱い吐息を漏らした。
「……ほら、だいじょうぶでしょ?並木さん」
「んっ…、」
恥ずかし気に目を逸らした少女を見て、青年はクスリと笑った。
そして少女の上からゆっくりと退くと、ポケットからティッシュを取り出し、少女に差し出す。
「…無理、しないで。吐き出していいよ。美味しくないんだし」
少女は申し訳なさそうに眉を下げると、躊躇いがちに頷いた。
そして、ティッシュを受け取り。
「む、無理だよ、西園寺くんっ…、こんなの入らなっ…」
「大丈夫、怖くないよ。並木さん」
「ふぇっ…」
涙目になっている少女の頭を優しい手つきで撫でるのは、眉目秀麗な青年。
「…優しくするから」
撫でるような優しい声に、少女がコクリと頷く。
それを見た青年は、ゆっくりと少女に覆いかぶさり――。
「っ……、」
二人の影が重なった瞬間、少女は顔を顰めた。
縋るように青年のワイシャツを握り、必死に耐える。
青年は少女を労わるように背を摩りながら、熱い吐息を漏らした。
「……ほら、だいじょうぶでしょ?並木さん」
「んっ…、」
恥ずかし気に目を逸らした少女を見て、青年はクスリと笑った。
そして少女の上からゆっくりと退くと、ポケットからティッシュを取り出し、少女に差し出す。
「…無理、しないで。吐き出していいよ。美味しくないんだし」
少女は申し訳なさそうに眉を下げると、躊躇いがちに頷いた。
そして、ティッシュを受け取り。