ワケあり王子のオトし方
西園寺は冷笑を浮かべると、空になったペットボトルをリーダー格の女の足元に放り投げた。
カランコン、と寂しい音が鳴る。まるで、誰かの心の中を具現化したような。
「そうなんだ? 俺の目には、君たちの方が暑そうに見えるよ」
「わ、私たちは暑くなんかっ…」
「暑いよ」
反論の声を上げた女を、西園寺は冷ややかな眼差しで見下ろした。次いで、この世のすべてを凍てつかせそうな声音で言い放つ。
「見苦しい」
「っ…、」
西園寺は女子たちから視線を外すと、私の方を向いた。そうして、少しだけ微笑むと、ゆっくりとした足取りで私の目の前へとやって来た。
「大丈夫? 並木さん」
その言葉とともに、西園寺の手のひらが私の頭の上に優しく乗せられた。
コクリと頷けば、西園寺は安心したように笑った。
その笑顔はとても綺麗だった。作り笑顔を浮かべてばかりの私とは、月とスッポンなんじゃないかってくらいに。
カランコン、と寂しい音が鳴る。まるで、誰かの心の中を具現化したような。
「そうなんだ? 俺の目には、君たちの方が暑そうに見えるよ」
「わ、私たちは暑くなんかっ…」
「暑いよ」
反論の声を上げた女を、西園寺は冷ややかな眼差しで見下ろした。次いで、この世のすべてを凍てつかせそうな声音で言い放つ。
「見苦しい」
「っ…、」
西園寺は女子たちから視線を外すと、私の方を向いた。そうして、少しだけ微笑むと、ゆっくりとした足取りで私の目の前へとやって来た。
「大丈夫? 並木さん」
その言葉とともに、西園寺の手のひらが私の頭の上に優しく乗せられた。
コクリと頷けば、西園寺は安心したように笑った。
その笑顔はとても綺麗だった。作り笑顔を浮かべてばかりの私とは、月とスッポンなんじゃないかってくらいに。