ワケあり王子のオトし方
「………え」


無論、女子たちは絶句。

リーダー格の女は腰を抜かし、周りにいる女子に支えられる格好になった。


意外なことに、私は冷静だった。

西園寺のとんでもない発言の意味を理解しようと、頭を使いまくっていたからだ。


「そ、そんなっ……!」

「嘘よ! 嘘っ」


西園寺はゆっくりと首を横に振ると、とどめを刺すかのように王子様スマイルを浮かべた。それを見た女子たちは数歩後退ると、リーダー格の女を引き摺るようにして去っていった。


「………え?」


私は西園寺と二人きりになった瞬間、ようやく全てを理解した。理解したくもなかった。というか、夢じゃないのか、どこぞの少女漫画みたいな展開。


「…あの、西園寺くん…?」


私は恐る恐る隣に立つ西園寺を見上げた。


「うん?」


西園寺はいつものように小首を傾げて、ちょっとだけ微笑んでいる。


「……嘘でしょ? あの場を打開するためだよね? というか、噂になって広まっちゃうんじゃ…」


「そうだね」


何サラッと言ってるの、このクソ王子。
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