俺がこんなに好きなのは、お前だけ。
嘘つきくんには制裁を
帰宅してすぐ制服のまま、うつ伏せでベッドに寝転んだ。ふかふかのマットレス、最近夜は寒いから引っ張り出した羽毛布団に顔が埋もれる。息が、しづらい。
寝返りをうつために、身体をひねった。天井を見つめるだけで、頭も心も停止したまま、なにもうまく考えることができない。
一度は止まった涙も、静かな部屋でひとりきりになると、塞きとめる羞恥心も、プライドもなにもないからまた溢れ出てきた。
恋って、幸せなものだと思っていた。
好きな人ができただけで嬉しくて、幸せなはずだった。
目が合ったら、そらしちゃったり、意識しまくっちゃって、恥ずかしくなって、うまく話しかけられなくなる。
その人の笑顔を見るだけで、胸がざわつくこと。声が聞こえると、それだけでうれしくなること。
好きな人ができたら、その人が自分の世界の色になる。
私は、知らなかった。
こんなにも胸が張り裂けそうになるような感情。
好きな人に忘れられない人がいる。
その忘れられない人も、私の好きな人を今でもきっと、想っている。
こんなの、どう頑張ったって私の勝ち目なんてない。
私の初恋は、儚く散る運命なんだ。
あー、もう。
これじゃ、涙を止められない。
苦しい……。
大志くんの、一番になりたい。
特別な人になりたい。
愛されたい。
大事にされたい。
いろんな場所に行って、思い出をつくりたい。