俺がこんなに好きなのは、お前だけ。
それから俺は女の子たちの告白を鋭い言葉で傷つけて、断るようになった。
みんな泣いて去っていく。それでよかった。
誰も恋なんかするな。どうせ本気になれやしないのだから。誰のことも好きになれない欠陥品の俺なんか、好きになられる価値すらねえ。
うざったい。
いったい俺のどこを見て「好き」って言ってんだ。
顔?学力?性格?
本当の俺を知ったら、きっと、誰も残らない。すぐにその感情はなくなる。
泣いて去っていった女の子たちも、時間が経てば俺への気持ちは跡形もなく消えるんだ。
そんなこんなで時間が経過し、俺は高校生になった。
当たり障りなくみんなと接しているうちに、優等生な自分ができあがった。
でも別に偽っているつもりもないし、これはこれで俺だからそこらへんはどうでも良かった。
そして、クラスメイトに見ているだけでイライラする女がいた。
「あー、もう、私の運命の人どこっ⁉︎」
「またそれ?」
小田ももか。
朝も昼も放課後も、ずっとあんな調子で、聞こえてくる話題はほとんど変わらない。
運命の人なんかいてたまるか。
だから思ってもみなかったんだ。こんなに仲良くなるなんて。第一印象も最悪で、かつ、告白現場を盗み見ておきながら俺に説教までしてきた小田ももか。
告白してきた女の子が可哀想だの、大嫌いだのと、言いたい放題。