恋ってやつを教えてやるよ。

「好きだよ」



俺の心の中を見透かしたようにそんな言葉が落ちてきて、俺はその言葉を発した張本人へと恐る恐る視線を向けた。



「俺は、美恋ちゃんのことが好きだよ」



真っ直ぐと俺に向けられた、裕也の瞳。


迷いなんて一つも感じられない。


裕也は、美恋のことが……好きなんだ。


友達としてじゃなく、恋愛的な意味で。



そう確信した。



これはつまり……。


もしも、この恋活によって美恋が裕也を好きになったら、二人は晴れて両想いになるってことか……?


二人が仲良く手を繋いで歩いてる姿がいとも簡単に想像できて、思わずYシャツの胸元をギュッと握った。



何だこれ……。


何かの病気かよ?


すげー胸がザワザワする。



「俺が美恋ちゃんを好きだとしても、ジロには関係のないことだよね?」



感情の読み取れない裕也の視線が突き刺さる。



関係ない。


そうだ。関係ないんだ。


美恋が、誰を好きになったって、誰と想い合ったって、俺には全く関係ない。


美恋は、俺にとって“ただの幼なじみ”なんだから……。



「俺は……」



祐也の問いに応えようと口を開きかけた時。


ガラッと教室のドアが開いた。
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