恋ってやつを教えてやるよ。
もー!面白がってさ!!
こっちは、全然面白くなんかないってのに!!
「いきなり噛みつかれれば、誰だってパンチの一つや二つお見舞いしてやりたくなるよ!!」
「え……噛み……って、え?元木に??」
目をぱちくりさせている幸に、唇を尖らせながら後ろ髪をかきあげてみせる。
すると、私のうなじを見た幸が、目ん玉が飛び出んばかりに大きく目を見開いた。
「首の後ろ、歯型ついてない?痛くはなかったんだけど、ジロのヤツ突然噛みついてきてさ!」
「え……これって……」
噛みつくとか、ほんっっと意味がわからない!
アイツはついに人間ですらなくなったのか!
犬か!!猿か!!獣か!!
昨夜はあまりに驚きすぎて、思わずグーでジロを殴ってしまった。
あんなに綺麗に右ストレートが決まるとは思わなかったから、怪我させちゃったのは
ちょっぴり反省してるけど……。
いや!!でもでも!!
急にあんなことするジロも悪い!!
何が気に触ってあんなことをされたんだか、私は未だにわからないでいた。
ってか、何かが気に食わないにしても、噛みつくとか人としてどうなの!?って話でしょ!?