恋ってやつを教えてやるよ。
今日の体育は2クラス合同ということもあって、いつにも増して黄色い声援が飛び交っている気がする。
「相変わらず、あの二人の周りだけ空気が違うよねー」
確かに幸の言う通りだ。
こう見ると二人ともかなり目立つ。
コートの中に立って軽く準備体操をしているだけなのに、ジロも高峰くんも人の目を惹きつけるオーラがある。
高峰くんは常時イケメンオーラをまとってるから多少見慣れてはいるけど、ジロのこういう姿はちょっと貴重だ。
こうして遠目から見ていると、長年一緒にいていやってほどジロの姿を見慣れてる私でも、ジロがイケメンに見えるんだから不思議なもんだ。
普段、あまりに近い存在すぎて忘れそうになるけど。
ジロも高峰くんも騒がれて当然の二人なんだよね。
しかも────。
「キャーーッ!!元木くんヤバイカッコイイ!!軽くダンク決めたよーー!!」
「高峰くん、あれスリーポイントじゃない!?!?かっこよすぎるーー!!」
二人とも、ものすごく運動神経が……良い。
ジロが運動神経良いのは昔からだけど、高峰くんまで……。
なんて火の打ちどころがないコンビなんだろう。