恋ってやつを教えてやるよ。

そして、真っ先に私の目に飛び込んできたのは……。


ジロのどアップだった。




「うわぁぁぁっ!?!?」



────ゴッ!!



「アガ……ッ!!!」



驚きのあまり勢いよく起き上がろうとしたせいで、私の額がジロの顔面にクリーンヒット。



「……っ!!」


「……っ!!」



私はベッドの上、ジロはベッドサイドの床で、痛みのあまりうずくまる。



何!?!?


何なの!?!?


一体何が起きてるの!?!?


ここどこ!?!?


って、保健室!?!?


ベッドの上!?!?


なぜ!?!?



「おっまえ……起きる時くらい静かに起きれねーのかよ!」


「あんたが顔近づけてたからいけないんでしょ!?てか今、何しようとしてたわけ!?」



ベッドの上の毛布を手繰り寄せ、威嚇する犬みたいにヴーと唸る私を見て、ジロは慌てて立ち上がる。



「ばっ…!!何もしようとしてねーわ!!バレーのコートから飛んできたボールにあたって、気絶したお前を運んできたら保健の先生いねーし!とりあえずベッドに寝かせようとしたら、名前呼ばれた気がして……」



そこまで言って、ジロははっとした顔をした。


それから、どこか困ったように顔をしかめて。
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