恋ってやつを教えてやるよ。
大きく息を吐き出し、ベッドサイドのパイプ椅子に力なく腰を下ろす高峰くん。
「心配した」
そう言いながら高峰くんは、弱々しく笑みを浮かべた。
うわわ。
こんな高峰くんの顔初めて見たかも。
私がどんくさいばっかりに、高峰くんにまで心配かけてしまった……。
「あー……。そろそろ私もーどろー」
「え!ちょっ…幸!?」
高峰くんと二人とか、さすがに気まずいよ〜!!
そもそも私、ジロ以外の男子と二人きりになるなんてそうそうないんだから!!
お願いだから行かないでくれ〜!!
しかし、そんな願いは届くはずもなく、幸は鼻歌を歌いながら保健室を出ていってしまった。
うわーーーん!!
幸の薄情者!!
幸がいなくなった途端、訪れるのは重たい沈黙。
うわぁ。
案の定、何話していいかわかんない……。
ダラダラと変な汗が出てくる。
そう思うと、やっぱりジロって特別だなって思う。
ジロといる時は、次から次に話題が浮かんできて、何話したらいいかとか考えたことなんて一度もないもん。