恋ってやつを教えてやるよ。
普段仲良くしてくれてる高峰くんでも二人きりの時はこんなに緊張するのに、今後、ジロ以上に一緒にいて楽な相手なんて現れるのかな……?
「た、高峰くん、心配かけちゃってごめんね!」
「美恋ちゃんが謝ることじゃないよ。俺の方こそ、守ってあげられなくてごめんね」
「何言ってるのー!それこそ高峰くんが謝ることじゃないよ!高峰くんが私なんかを守る義理なんてこれっぽっちもないんだから!」
高峰くんてば優しいなぁ。
私が倒れた時、高峰くんはコートの中にいたんだから、守れっこなくて当然なのに。
まるで自分のことのように辛そうな顔をしてくれて……。
高峰くんの友達になれて、こうして大切にしてもらって、私って相当な幸せ者だなぁ。
「そんなこと……言わないで」
「……え?」
憂いの帯びた声で返ってきた返事は、もちろん高峰くんが発したもの。
狐につままれたような顔で高峰くんを見れば、真剣な表情で私を見つめる高峰くんと視線が交わった。
「守る義理がないとか、そんな悲しいこと言わないでよ」
「え……あ……」
「できるなら、俺は誰よりも前に立って美恋ちゃんを守りたいと思ってるんだ」