恋ってやつを教えてやるよ。
7*恋をしましょう。
「てなわけで、文化祭のクラスの出し物を決めるため、アンケートを配りまーす」
11月に入ると、いよいよ文化祭シーズン到来。
高校に入学して初めての文化祭でクラスが浮き足立つ中、私はそれでなくともソワソワする毎日を送っていた。
「はい」
「ありがとう」
前の席から回ってきたアンケートを受け取り、自分の分だけを一枚抜いて、それ以外は後ろへ。
プリントを回そうと体をひねれば。
「ありがとう」
うっ……!!
後ろの席の高峰くんとバッチリ目が合い、微笑まれてしまった。
「あ……え、いや……うん」
私はアンケートを渡すと、慌てて前に向き直る。
うぉいっ!!!
これじゃあまりにも不自然でしょうが……!!
普通にしろ!普通にしろってば私ぃ!!!
自身の机にゴンゴン頭を打ちつけて自分を戒めていたら、それに気づいた隣の須藤くんに「い、飯島さん!?」と心配されてしまった。
初めてこの席順を恨めしく思うぜ。
自意識過剰とは思いながらも、後ろからの視線が辛いこと限りなし……。
高峰くんに告白されてから、早一週間。
私は彼に普通に接することができなくなってしまっていた。