恋ってやつを教えてやるよ。
「さすが美恋。本当にな〜んにも知らないんだね。うちの学校の文化祭といえば、後夜祭の打ち上げ花火じゃない!」
「う、打ち上げ花火!?」
おぉ〜!!
さすが高校の文化祭!本格的!!
中学時代は文化祭なんてなかったし、楽しみ過ぎる〜〜!!
「幸!一緒に花火見ようね♡」
「ばっかもーーーーんっ!!!!!」
「ぐへぇっ!」
幸の強烈なデコピンを食らい、危うく椅子ごとひっくり返りそうになる私。
「な、なにすんの!!!」
頭蓋骨割れるかと思ったんですけど!!!
「美恋。よく覚えておきなさい。うちの高校の後夜祭の花火を、女子二人で見ようとなんぞするやつぁ、ただのバカよ」
「は、はぁ……」
「うちの花火は、必ず好きな異性と見ること!」
「えぇ〜。何でよ〜」
私が不満そうな声を出すと、幸が凛々しい表情で人差し指をビシッと突きつけてくる。
「後夜祭の花火を一緒に見た男女は、永遠に結ばれるって言い伝えがあるからよ!」
永遠……?
「あ。そこ。胡散臭いなって顔しない!」
おっと。
つい顔に出してしまった。
「だって、そういうジンクスってどこの学校でもありがちじゃない?」