恋ってやつを教えてやるよ。

「さすが美恋。本当にな〜んにも知らないんだね。うちの学校の文化祭といえば、後夜祭の打ち上げ花火じゃない!」


「う、打ち上げ花火!?」



おぉ〜!!


さすが高校の文化祭!本格的!!


中学時代は文化祭なんてなかったし、楽しみ過ぎる〜〜!!



「幸!一緒に花火見ようね♡」


「ばっかもーーーーんっ!!!!!」


「ぐへぇっ!」



幸の強烈なデコピンを食らい、危うく椅子ごとひっくり返りそうになる私。



「な、なにすんの!!!」



頭蓋骨割れるかと思ったんですけど!!!



「美恋。よく覚えておきなさい。うちの高校の後夜祭の花火を、女子二人で見ようとなんぞするやつぁ、ただのバカよ」


「は、はぁ……」


「うちの花火は、必ず好きな異性と見ること!」


「えぇ〜。何でよ〜」



私が不満そうな声を出すと、幸が凛々しい表情で人差し指をビシッと突きつけてくる。



「後夜祭の花火を一緒に見た男女は、永遠に結ばれるって言い伝えがあるからよ!」



永遠……?



「あ。そこ。胡散臭いなって顔しない!」



おっと。


つい顔に出してしまった。



「だって、そういうジンクスってどこの学校でもありがちじゃない?」
< 141 / 152 >

この作品をシェア

pagetop