恋ってやつを教えてやるよ。

「ちょ……!?ジロ!?」



驚く私と高峰くんを前に、ジロは私のミルクティーをゴクゴクと喉を鳴らしながら一気飲み。


「ぷはぁっ!!」と息を吐き出して、口元を拭いながら。



「ミルクティー!クソうめぇ!!」



と、なぜかヤケクソ気味に感想を述べて、空になった缶を私の机に乱暴に置いた。


その缶を手に取り、軽く振ってみる。


一滴も残っていない。



わ、私のミルクティーがぁぁぁぁぁ!!!



「バカジロ〜〜!!!あんった、何飲み干してくれてんのよっ!?!?」


「あー?ピーピーうるせぇな。代わりに俺のやつやるから安心しろよ」



と、無理矢理私の手に押し付けられたのは。



「……もずくジュース…………。こんなもん、誰がいるかぁぁぁぁぁぁ!!!」


「お前、もずくジュースバカにすんなよ!?めちゃくちゃ健康にいいんだかんな!?」



ジロの胸ぐらを掴んでガクガクと揺さぶる私は、内心ホッとしていた。



ダメだな私。


高峰くんの好意を上手く受け止められない。


高峰くんとくすぐったい雰囲気になると、どうしても身構えちゃう。



こんなんで本当に、高峰くんに恋なんてできるのかな……?
< 147 / 152 >

この作品をシェア

pagetop