恋ってやつを教えてやるよ。
「ちょ……!?ジロ!?」
驚く私と高峰くんを前に、ジロは私のミルクティーをゴクゴクと喉を鳴らしながら一気飲み。
「ぷはぁっ!!」と息を吐き出して、口元を拭いながら。
「ミルクティー!クソうめぇ!!」
と、なぜかヤケクソ気味に感想を述べて、空になった缶を私の机に乱暴に置いた。
その缶を手に取り、軽く振ってみる。
一滴も残っていない。
わ、私のミルクティーがぁぁぁぁぁ!!!
「バカジロ〜〜!!!あんった、何飲み干してくれてんのよっ!?!?」
「あー?ピーピーうるせぇな。代わりに俺のやつやるから安心しろよ」
と、無理矢理私の手に押し付けられたのは。
「……もずくジュース…………。こんなもん、誰がいるかぁぁぁぁぁぁ!!!」
「お前、もずくジュースバカにすんなよ!?めちゃくちゃ健康にいいんだかんな!?」
ジロの胸ぐらを掴んでガクガクと揺さぶる私は、内心ホッとしていた。
ダメだな私。
高峰くんの好意を上手く受け止められない。
高峰くんとくすぐったい雰囲気になると、どうしても身構えちゃう。
こんなんで本当に、高峰くんに恋なんてできるのかな……?