恋ってやつを教えてやるよ。
「元木と高峰くんも執事やるらしいし、やっぱり楽しみだなぁ〜!文化祭!」
あからさまにワクワクした様子の幸に、じとっとした視線を送っていれば。
「あーー!!くっそ重かった!!」
教室のドアがガラッと開いて、両手いっぱいの荷物を抱えたジロが入ってきた。
「お〜!ジロ!買い出しご苦労さん!」
「おめーら、重いもんばっか俺に押し付けただろ!?」
「あはは!バレた〜?」
「はっ倒す!」
買い出しから帰ってきて早々、クラスメイト達とじゃれ始めるジロの後ろには、その様子を楽しそうに見ている茅野さんの姿。
「何だか、買い出し班楽しそうだね〜!」
「だね」
「本当は美恋も元木と一緒の班が良かったんじゃな〜い?」
「……べ、別に?」
事前準備も当日の役割分担と一緒の日にクジ引きで決まった。
結果、私と幸は外装班、高峰くんは内装班、ジロは茅野さんと同じ買い出し班に決まったわけだけど……。
ジロのヤツ。
ちゃっかり買い出しまで茅野さんと一緒に行っちゃってるし。
”茅野と一緒の班でラッキー!”って心の声がだだ漏れだし。
鼻の下伸び切ってて見られたもんじゃない。