恋ってやつを教えてやるよ。


「で?ジロは、どうしたいの?」


「どうしたいって、何が」


「具体的に、恋活ってどんなことするの?」


「はいはーい!それ、私も聞きたーい!」



ちょっと……!


幸はともかく高峰くんまで、何でそんなに興味深々なの!?


ま、まぁ、私も内容だけはちょっと気になってたけどさ。


だって、恋活だよ!?


ジロの言う恋活なんて、きっとロクなもんじゃない!



「具体的……」



ジロは「うーん」と顎に手を当てて、考えを巡らせている様子。



「全然考えてなかった……!」



って、考えてなかったんかい!!



高峰くんと幸は「そんなことだろうと思った」と呆れ顔。



「とにかく!美恋が恋できるよう、俺は全力でサポートしていくつもりだ!」


「だから、頼んでないんだってば!」


「何でだよ!お前だって本当は少しくらい、恋とかしてみたいって思ってんだろが!」


「……っ!」



そ、そりゃあ、全く恋に興味がないってわけじゃないよ?


これだけみんなが好きな人がどうたら彼氏がどうたらって盛り上がってるんだ。


ジロの言うように、世界が薔薇色に見えるくらい楽しいものだっていうのなら、私だってどんなものか気になりはする。
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