恋ってやつを教えてやるよ。
だけど、今このタイミングで?
そんなの、ジロの後を追いかけてるみたいで、なんだか嫌だ。
まるで、私がジロに取り残されたくないから恋するみたいじゃない!
「と、とにかく!私は、恋なんかしないの!!」
「いいや!しろ!するべきだ!」
「あんたね!いい加減にしなさいよ!?したくないって思ってる人に無理矢理させるとか、今流行りのパワハラだからね!?」
「知るか。んなもん!」
ジロに力強く肩を掴まれ、思わず身を固くする。
同時に真剣な眼差しで見つめられ、不覚にもドキッと心臓が跳ねた。
ジロって、こんな男っぽい表情をするヤツだったっけ?
なぜか目が釘付けになってしまう。
「俺が、お前と恋したいんだよ!!!」
…………は?
クラスメイト達の視線が一気にこちらに集まってきて、だからかわからないけど、私の顔も急激に熱を持ち始めてしまう。
コ、コイツ……いきなり何言ってるの!?!?
「……ん?あれ?今のなんかおかしくね?」
「言葉のチョイスが間違ってるよジロ。それじゃあ、ジロが美恋ちゃんに告白してるみたいだから」