恋ってやつを教えてやるよ。
小学校一年生の時からの付き合いで、家が近いこともあってずっと仲良くしてる。
いわゆる腐れ縁ってやつだ。
こんなこと言うと何か勘違いされそうだけど、私はジロのことならわからないことなんて何一つない。
困ったり、テレたりすると首の後ろに手を当てる癖。
ピーマンとにんじんが大っ嫌いなこと。
実は小学校3年生までおねしょをしてたこと。
あ、しまった。これは忘れろって言われてるんだった。
えーっと、まぁつまり、私はジロのことだったら何だって知ってるんだ。
そしてジロもまた、私のことならなんだって知ってる。
「あ、美恋。お前、昨日夜更かししただろ?」
「え、あーうん。昨日お兄にゲーム付き合わされてさ。ってなんでわかったの?」
「美恋は寝不足だと、二重のとこがいつもより濃くなるじゃん」
背を屈めて、私の顔を覗き込んでくるジロ。
「ほら、ここ」と言って優しく瞼に触れてくる。
同時にジロのドアップが視界に飛び込んできて、ドキッと……いや、イラッとした。
無駄に綺麗な顔しやがって……ムカツクな。
ジロは、中身は小学生の頃から成長しないまま、外身ばかりが成長してる。