恋ってやつを教えてやるよ。
高峰くんに諭され、「ほんとだ!ウケる!」と手を叩いて笑ってるジロ。
全っっ然ウケないから!!
バカなの!?
どうしたらそんな間違いするのよ!!
「いやさ?今まで、美恋とはいろんなこと共有してきただろ?好きなゲームとか、好きな曲とか、好きなテレビとか、大概気が合うし、俺は美恋と話してっとすげー楽しいんだよ。だから、俺が楽しいって思うことは、これからもずっと美恋と共有していきたい」
首の後ろに手を当てて、照れくさそうに視線を泳がすジロ。
「だからな……あー……まぁ、お前がどうこうってよりも、多分俺が、お前と一緒に恋も楽しめたらって思ってるんだろうな」
……何だそれ。
「……ゲームと一緒にしないでよね……」
唇を引き結び、地面へと視線を落とす。
やだな。
私ってば、あまりにも単純過ぎる。
ジロが、私をほっぽらかして一人で先を行きたいわけじゃないんだって、わかっただけでこんなにもほっとしてる。
ジロとは、本当に昔からずっと一緒だったんだ。
楽しい時も、嬉しいときも、ちょっぴり悲しい時だって、いつだってジロがいたし、いつだってどちらともなく足並みそろえて歩いてた。