恋ってやつを教えてやるよ。
「ったく、しょーがねーヤツだな」
「むっ……」
ってか、平然と私の顔をティッシュで拭ってる場合かっ!!
睨んでる!
睨んでるよ!!岡部さんが!!
今にも唾かけてきそうな顔で睨んでるってば!!
「つか岡部。悪いけど、いくらお前がEカップでも、その誘いには乗れねーから」
私の頬に手を添え、ミルクティーでベトベトな私の顔を拭いながら、ジロが話し出す。
「俺、好きな子できたから。他の子に興味ない」
「え?」
「だから、もう誘ってくんな」
岡部さんは目を丸くして、一瞬傷ついたような顔をした。
それから、まだジロに手を添えられてる私の顔をギッ!と睨みつけると、フン!と身をひるがえし食堂を出ていった。
な、何で私が睨まれなきゃならないんだ。
てかあれ、絶対勘違いしてる!
ジロの好きな相手、私だと思われてる!!
それはそうと……。
「いつまで顔拭いてんだっ!!」
「いや、ベトベトしてっから、ティッシュくっついちまって」
「え……ちょ、何してくれてんの?」
ポケットから手鏡を出して、自分の顔を確認する。
うっわ最悪。
めっちゃくっついてる……。