恋ってやつを教えてやるよ。
「で、恋活って、そもそも何すればいいの?」
「あー」
「あーって、あんたまさか、また何にも考えてなかったわけじゃないでしょうね?」
「ちげーよ!俺にも考えくらいあるわ!」
「本当にぃ〜?」
疑いの眼差しを向けていると、「本当だよ!」と額にデコピンを打ち込まれた。
痛い。
「こっちにも色々準備ってもんがあるんだよ!まぁ、そう焦るな。恋活は、明日から決行することにする」
「準備?」
「とりあえずお前、今日は夜更かしすんなよ?しっかり睡眠とって肌のコンディション整えとけ」
「は?」
「風呂上がってからの手入れも忘れんな。お前、面倒臭いからっていつもなんもつけねーだろ。化粧水くらいつけとけ」
「急に何なの?」
やたら美容のレクチャーをしてくるジロに訝しげな顔を向けていれば。
「じゃ!俺、今日忙しくなりそうだから先帰るわ!」
そう言って片手を上げ、ジロは足早に教室を出て行ってしまった。
「何なんだぁ?」
残された私は、ジロの出ていった方を見たまま、一人首を傾げた。
そして、次の日。
「これは……何?」
私と幸と高峰くんは、私の机の上にばらまかれた物を食い入るように見つめていた。