恋ってやつを教えてやるよ。
穏やかに微笑んで、私の頭を優しくなでる高峰くん。
高峰くんは本当に優しい人だなぁ。
無神経でおバカなジロとは大違いだ。
私をこんな変な気持ちにさせるジロなんかとは、大違いだ────。
*
そして、次の日の休日。
────ピンポーン!
玄関のチャイムの音で目が覚めた。
スマホの時計を確認すれば、11時と表示されている。
やっば。
休みだからってさすがに寝過ぎた。
てか、なんかものすごくいい夢見てた気がするのに、誰だ私の眠りを邪魔したヤツは。
────ピンポンピンポーン!
も〜。
何で誰も出ないの?
うちには誰もいないの?
あ。そうだ。
お母さん、朝から町内会の集まりに行くって言ってたっけ。
────ピピピピピピンポーン!!
「あーはいはい!そんなに押さなくても、今開けますよ!!」
寝ぼけ眼を擦りながら、ボサボサ髪のまま玄関へ。
「はーい。どちら様……」
ドアを開けた途端、ビックリして眠気がふっとんだ。
「やっほー!美恋ちゃんおひさ!」
「一花ちゃん!」
一花ちゃんとは、前に話したジロのお姉ちゃんのこと。