恋ってやつを教えてやるよ。

ジロの友達にはもったいないくらい、できた人間だ。


そんでもって、やっぱりイケメン。


そんな高峰くんとジロのいるうちのクラスは、女子達の間で、オアシスと呼ばれてるらしい。


休み時間になると、何かと理由をつけて他のクラスから女子達がやってくる。


バレないようにしてるけど、みんなジロと高峰くんをチラ見してる。


噂では、一年の女子の大半は彼らに恋してるんだって。


それを聞いた時は驚いた。


高峰くんはともかく、まさかジロがそこまでモテるなんて……。


ってのもそうだけど、女の子はみんな恋をしてるんだなぁって。


そもそも恋ってなんなんだろう?


どんな気持ちなの?


何でみんなそんなに楽しそうにしてるの?



私には、よくわからないや……。



「お前らにおもりされるほど子供じゃねー!」と高峰くんにじゃれついてるジロの横を通って、高峰くんの前の自分の席に座る。


スクールバックから中身を出して、一時間目の授業の用意をしていれば。



「美恋ー!おっはよー!!」



ドスッと背後から重みがのしかかってきて、驚きのあまり口から心臓が飛び出しそうになった。
< 5 / 152 >

この作品をシェア

pagetop