恋ってやつを教えてやるよ。
「あーつっかれた!」
「運動不足も甚だしいぞ。ジロ」
「お前乗せてっから余計疲れるんだよ!」
学校に着き、駐輪場で自転車を止めて昇降口へと向かう途中。
「「あ」」
「あ!元木くん飯島さん、おはよう!」
「お、おはよ!」
「おはよう」
どうして朝からそんなに可愛くいれるの?ってくらい、可愛らしい笑みを浮かべる茅野さんにばったり出くわした。
ピンクのほっぺにプルプルの唇。
こういう人は、私みたいに努力なんかしなくとも、当たり前に女子力が身についてるんだろうなぁ。
ジロをチラッと覗き見る。
うっっわ。
めっちゃ嬉しそう。
「二人とも、自転車通学なんだね!」
「いや、今日はたまたまでいつもは電車」
「そうなんだ!」
「茅野は電車?」
「私は、家が近いから歩きなの」
楽しそうに会話しているジロと茅野さんの後ろから、気配を消してついて行く私。
見た目だけはモデル並にイケメンのジロ。
ふわふわして可愛い茅野さん。
こうして見ると、文句のつけ所がないくらいお似合いな二人だ。
……お邪魔虫は、退散するとするか。
「あ!そうだ!私単語テストの暗記してなかった!悪いけど、先行くね!」