恋ってやつを教えてやるよ。
「あれ?幸、今日彼氏とデートって言ってなかったっけ?」
「あーあれ?別れた別れた!」
「えー!?幸、ここ一ヶ月で何人目!?」
「だって、付き合ってみたら何か違うんだもーん」
いや、あなた。
そんな、試着してみたら思ってたのと違いましたみたいなテンションで……。
まぁ幸の場合、こんなのいつものことだけど。
「あーあ!また新しい恋見つけなきゃなー」
「また!?いくらなんでもハイペース過ぎでしょ!!」
知ってはいたけど、なんて恋多き女なんだ。幸よ……。
幸に限らず、どうして世の女子達はそうまでして恋がしたいのか。
申し訳ないけど、ちょっと私には……
「理解できない」
「理解できねぇ」
ん?
今なんかハモらなかったか?
どうやら、同じ言葉を零したのは、私達の後ろで話を聞いてたジロらしい。
「真似すんじゃねーや」
「お前がな」
そんな私達を見て「相変わらず息ピッタリだね」って高峰くんがクスクス笑ってる。
「美恋と元木には理解できるわけないじゃーん!二人とも、恋なんてまだまだなお子ちゃまでしょ?」