恋ってやつを教えてやるよ。

幸と一緒にしらけた目を向けると。



「男なんてみんなそんなもんだろ!でも俺、本当に恋とか彼女とかどうでもいいし」


「何でよー」


「何でかはよくわからんけど。多分、美恋がいるからじゃね?」



……へ?


え、私?



幸と高峰くんが、目を丸くする。


同時に私も。



「美恋といると楽だし面白ぇし、なーんも考えず一緒にいられるし。ぶっちゃけ今が一番楽しいっつーか。ベストっつーか」



首の後ろに触れながら、ジロは「んー」と斜め上に目を上げる。


それから、ジロの視線は真っ直ぐと私へ。



「俺は、美恋がいればそれでいいや」


「ジロ……」



ジロってば、そんなふうに思ってくれてたの……?


どうしよう……凄く嬉しい……。







なーんて!!


感動するとでも思ったか!!





「で?ジロ。今日は、一体何が目的?」



ジロに向けた目をじとっと細める。


すると、ギクッと肩を揺らしたジロが観念したよう両手を合わせて。



「美恋さまぁぁぁぁ!!!すみません!!!英文解釈の宿題、写させてくださいぃぃぃぃ!!!」



とお願いの体勢に。
< 9 / 152 >

この作品をシェア

pagetop