恋ってやつを教えてやるよ。
幸と一緒にしらけた目を向けると。
「男なんてみんなそんなもんだろ!でも俺、本当に恋とか彼女とかどうでもいいし」
「何でよー」
「何でかはよくわからんけど。多分、美恋がいるからじゃね?」
……へ?
え、私?
幸と高峰くんが、目を丸くする。
同時に私も。
「美恋といると楽だし面白ぇし、なーんも考えず一緒にいられるし。ぶっちゃけ今が一番楽しいっつーか。ベストっつーか」
首の後ろに触れながら、ジロは「んー」と斜め上に目を上げる。
それから、ジロの視線は真っ直ぐと私へ。
「俺は、美恋がいればそれでいいや」
「ジロ……」
ジロってば、そんなふうに思ってくれてたの……?
どうしよう……凄く嬉しい……。
なーんて!!
感動するとでも思ったか!!
「で?ジロ。今日は、一体何が目的?」
ジロに向けた目をじとっと細める。
すると、ギクッと肩を揺らしたジロが観念したよう両手を合わせて。
「美恋さまぁぁぁぁ!!!すみません!!!英文解釈の宿題、写させてくださいぃぃぃぃ!!!」
とお願いの体勢に。