恋ってやつを教えてやるよ。

「何だ……それ……」



手遅れ……後悔……?


何がだよ?


何で、俺がそんなんするんだよ。


わけわかんねーよ……。








そして、次の日。


紅葉真っ只中の昇降口に続く並木道を“クソねみぃ”と頭の中で連呼しながら歩いていると。



「仁郎〜!!」


「うおっ!」



ガシッと後ろから肩を組んでのしかかってきたのは、同じクラスの本田だ。



「何だよお前。気持ちわりーな!くっつくな!」


「聞いてくれよ仁郎〜!俺昨日、須藤ちゃんにふられたんだけど〜!!」



今にも泣き出しそうな顔でそう言うコイツは、隣のクラスの須藤って女子に片想いをしてるらしい。


顔を合わせりゃ須藤の話ばっかしてくるもんだから、正直ちょっと……いや、かなりうざったいと思ってたけど、まぁ応援はしてやってたのに。


とうとうふられたか。



「ってかお前、何で告白したわけ?この間は、まだ名前も覚えてもらってないって言ってなかったっけ?」


「え〜だってさぁ〜?もう、見てるだけじゃ満足できなかったんだよ!やっぱり好きな子とは、付き合いたいって思うじゃんか!」


「そういうもんかぁ?」
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