桜恋華



彼女にいわれて、初めて気がついた、自分の服装。


部活の午前練の後だったので、制服のまま。


たしかに、ブラウスとスカートでは完全に洋装。
異人に間違われるのも無理はない。


「あ、あなたは、」



「私ですか?私は、沖田総司と申します。」


「おっきた…沖田総司!?って、あの、新撰組の!?」


「んー、間違ってはないですが、壬生浪士組の沖田。というほうが、幾分正しいでしょうね!」



あははと笑う沖田さんに苦笑いするあたし。

間違っても"お姉さん"かと思ったなんて…言えない!

頭上ではブタさんが必死に笑いを堪えて頭にしがみついてる。あんにゃろー

それより、






………痛いんだけど………






「?どうしました?」

「え?」





心配そうな面持ちであたしの顔を覗き込む沖田さん。



「いえ、何だかすごい剣幕で上を睨んでましたから。……にしても、」



「え?」



次の瞬間、沖田さんの顔がぱぁっと明るくなって。



「かわいいですね!この子ブタさん!」



「ぶきっ!」



ぶたさんは沖田さんに飛び付いた。それも、あたしのときとは明らかに違う態度で。



「あ゛っ!こらこら、ダメだってば!人様に迷惑かけちゃ!」

「アハハ
いーんですよ!お気になさらないでください。」



あのヤロー…
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