桜恋華
ガラッ
「Σ(゚_゚!!!」
「オラ総司!朝頼んでた書類はまだか!?」
「あ!土方さん♪」
ひらひらと手を振ってニコニコしている沖田さん。
一方、彼の前には呆れたような表情…というよりは、ただただ唖然とし、くわえていたキセルを落としてしまった土方さん。
「ったく、なにが『あ、土方さん♪』だ!また妙なもの拾ってきやがって!犬や猫ならまだしも、今回はブタか!?」
「かわいいでしょ?」
あれ?
あたしの存在忘れられてない?
「あ、あのぅ…
ひじ…か、たさん?」
恐る恐る声をかけてみた。それも蚊の泣くようなちいさーい声で。
だってこの人は…
かの新撰組の鬼の副長といとわれたあの土方歳三。
「あぁ!?
誰だこの小娘は!?ブタの次はガキまで拾ってきやがったのか!屯所(ここ)はお前みたいな童がくるとこじゃねーんだ!さっさと帰れ!」
ぷち…
これを聞いたとたん、あたしの中の何かがきれた。