アスカラール
「どんな人なの?」

そう聞いてきた沙保に、
「ピアスしてる人」

美都は答えた。

「いや、そう言うことを聞いてるんじゃなくて…」

沙保は呆れたと言うように言い返した。

「成孔さんの前にいると、自分がよくわからないの」

そう言った美都に沙保は首を傾げた。

「私が私じゃないって言った方がいいのかな?

気がついたら、いつも成孔さんのペースに巻き込まれてる」

「そうなんだ」

「だけど、成孔さんの隣にはキレイな人がいるの」

そう言った美都に、
「何それ?

もしかして、彼女持ちってヤツ?」

沙保は信じられないと言った様子で聞き返した。

「そうじゃないよ、そのキレイな人は秘書だって成孔さんは言ってた」

「ああ、そうなの…」

すぐに答えた美都に、沙保は返事をした。
< 115 / 218 >

この作品をシェア

pagetop