アスカラール
沙保は隠していた両手を外すと、美都を見つめた。
「成孔さんのことを思い出すとどうしようもできないの。
名前を呼ばれると心臓がドキドキして、“かわいい”とか“好き”って言われたら何を言い返せばいいのかわからない。
成孔さんの前に立ったら…何だか、自分が自分でなくなっちゃうような気がして…。
もう、とにかく私はどうしたいのかよくわからないの」
そう言った美都はもどかしいと言う顔をしていた。
「お父さんの前でもお兄ちゃんの前でも高崎さんの前でもこんなことにならないのに…」
美都は苦しそうに呟くと、目を伏せた。
(ああ、なるほど)
その様子に沙保は納得して首を縦に振った。
(間違いない、美都は…)
「成孔さんに恋をしてるのね」
そう言った沙保に、美都は驚いたと言うように伏せていた目をあげた。
「成孔さんのことを思い出すとどうしようもできないの。
名前を呼ばれると心臓がドキドキして、“かわいい”とか“好き”って言われたら何を言い返せばいいのかわからない。
成孔さんの前に立ったら…何だか、自分が自分でなくなっちゃうような気がして…。
もう、とにかく私はどうしたいのかよくわからないの」
そう言った美都はもどかしいと言う顔をしていた。
「お父さんの前でもお兄ちゃんの前でも高崎さんの前でもこんなことにならないのに…」
美都は苦しそうに呟くと、目を伏せた。
(ああ、なるほど)
その様子に沙保は納得して首を縦に振った。
(間違いない、美都は…)
「成孔さんに恋をしてるのね」
そう言った沙保に、美都は驚いたと言うように伏せていた目をあげた。