アスカラール
「それに対して美都は何て答えてるの?」

「…えっ?」

目を点にして聞き返してきた美都に、
「…まさかとは思うけど、何にも答えていないの?」

沙保が呆れた様子で言った。

「だ、だって、本心で言ってるのかジョーダンで言ってるのかよくわからなくて…」

「本心に決まってるでしょうが!」

怒鳴るように返してきた沙保に、美都は後ろへ引っくり返りそうになった。

「と言うか、あんたがそこまで鈍感だったとは思ってもみなかったわ…」

沙保は頭が痛いと言うように両手で頭を抱えた。

「ほ、本心…」

美都は固まっていた。

そんな彼女に向かって、
「伝えなさい」

沙保は言った。

「えっ?」

意味がよくわからなくて聞き返した美都に、
「自分の気持ちを彼に伝えなさい、って言う意味よ」

沙保は言い返した。
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