アスカラール
父と兄がそんな会話をしていたことに気づいていない美都は、のんびりとお風呂に浸かって本日の疲れを癒していた。
「高崎さんはかっこいいんだけど…やっぱり、お父さんかお兄ちゃんみたいな人と結婚したいんだよね」
湯船の中で美都は呟くと、息を吐いた。
美都の欠点――それは、父と兄以外の周りの男性に興味を持つことができないと言うことである。
晩年になってからできた娘だから、年齢の離れた妹だから、さらには母親を亡くしたからと言う理由で、美都は父と兄から過保護に育てられて愛された。
彼らからの愛情を一身に受けた美都は、周りの男性にも同じように、それも無意識に求めた。
その結果、美都は周りの男性に興味を持つことができなくなってしまったのだ。
27歳になった今でも独身のうえに、男性との交際歴もゼロである。
全くと言っていいほどに自覚がない美都は湯船から出ると、躰を洗うためにグレープフルーツの香りがする石けんを手に取った。
「高崎さんはかっこいいんだけど…やっぱり、お父さんかお兄ちゃんみたいな人と結婚したいんだよね」
湯船の中で美都は呟くと、息を吐いた。
美都の欠点――それは、父と兄以外の周りの男性に興味を持つことができないと言うことである。
晩年になってからできた娘だから、年齢の離れた妹だから、さらには母親を亡くしたからと言う理由で、美都は父と兄から過保護に育てられて愛された。
彼らからの愛情を一身に受けた美都は、周りの男性にも同じように、それも無意識に求めた。
その結果、美都は周りの男性に興味を持つことができなくなってしまったのだ。
27歳になった今でも独身のうえに、男性との交際歴もゼロである。
全くと言っていいほどに自覚がない美都は湯船から出ると、躰を洗うためにグレープフルーツの香りがする石けんを手に取った。