アスカラール
「どうしよう、今すぐにでも美都を俺のものにしたいかも」

「も、ものって…!?」

そう言った成孔の言葉の意味は、恋愛に疎い自分もすぐに理解した。

(いわゆる、“そう言うこと”をするんですよね!?)

顔立ちと身長から幼く見えるのは仕方がないが、頭は年相応だと自分では思っている。

「ジョーダンだよ」

顔を真っ赤にして慌てている美都に向かって成孔は笑いながら言った。

「“今”は我慢するけれど、“そのうち”に美都を本当に俺のものにするから」

成孔はそう言って、美都の頬にチュッ…とキスをした。

「そ、そのうちですか…!?」

真っ赤な顔で聞き返した美都に、
「“そのうち”に、ね」

成孔はフフッと笑いながら答えたのだった。

やっぱり、彼の前だと自分の思うように行かないんだと心の底から美都は思った。
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