アスカラール
新人には気をつけて
9月に入った。

まだまだ厳しい残暑が続いているが、美都は特に気にしていなかった。

その日もいつものように電車に乗ってカバンからスマートフォンを取り出すと、
「あっ、きてる」

成孔からメールがきていた。

『おはよう

まだまだ暑い日が続いてるね

夏バテしてない?

この季節は特に体調を崩しやすいから気をつけてね』

彼からのメールに美都はフフッと笑うと、いつものようにメールを作成した。

『おはようございます

夏バテしていないです、大丈夫です

成孔さんも体調を崩さないように気をつけてくださいね』

「送信、と…」

メールが送信されたことを確認すると、美都はスマートフォンをカバンの中に入れた。

誕生日の夜に成孔と結ばれてから数日が経っていた。
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