アスカラール
「森坂さーん、ちょっといいー?」

「はーい、今行きまーす」

上司に呼ばれたので美都はデスクから離れた。

「資料室に行って取ってきて欲しいものがあるんだけど」

「はい、わかりました」

上司から資料が書かれている紙を受け取ると、美都は資料室へと足を向かわせた。

資料室に足を踏み入れると、
「あっ…」

そこにいたのは、律だった。

彼も資料を探しにここへ訪ねてきていたみたいだ。

「どうも」

律が会釈をしてきたので、
「お疲れ様です」

美都は会釈を返すと、資料探しを始めた。

「えーっと、この資料は…」

「あの、森坂さん…ですよね?」

資料探しをしている美都に、律が声をかけてきた。

「そうですけど、何か?」

美都は首を傾げた。
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